ひとつの輝き

社長である自分の子供が高校へ行かないなんてみっともない。 


そんな事、言われたっけ?


だから学校から近い、この高級マンションを父親は買った。 


何が高級マンションだよ。 

こんな広い部屋で一人で…余計に落ち着かない。


あたしは体を起こしベランダに出た。 

もう辺りは真っ暗。 


少し離れた所は住宅街。 

その家の灯りで、その辺りだけは輝いている。 


そして目の前に続く河原…ずっと先には学校が見える。 


近くだったら学校に行くとでも思ったんだろうか…。


確かに、ここから見る見晴らしは凄くいい。 



それだけは大好き。 



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