ひとつの輝き
先輩に頷いた後、あたしは目を深く閉じていた。
そう…
深い深い眠りに入っていて、次に目を覚ました時、あたしの体にタオルケットがかけられていた。
1時間ぐらい寝ていたのかもしれない…。
あたしの視界から見る限り先輩は居ない。
帰ったかな…
体を起こした瞬間ベランダに人影が見えた。
「先輩?」
少しの間、見ていると先輩はタバコを吸いながらボーっと遠くのほうをみていた。
どこら辺とかじゃなくて、ただボーっと…
その横顔も沈んだように見えた。
その先輩の姿が、
“今は来るな”
と言っているように見えたが、あたしの体は意地悪で動いていた。