ひとつの輝き
そんなに畏まれるのは苦手…。
だから、こう言う所はあまり来たくはない。
「あの…」
そこまで言うとその男の人は先に口を開いた。
「社長でしたら只今、外出中でして…」
「あっいえ…母です」
「奥様ですね。奥様でしたら社長室におられます」
あたしは軽く頭を下げ母がいる社長室へ向かった。
もう一年以上、会っていない母…。
本当に親なんだろうか。
あたしはドアの前まで行きノックをした。
「どうぞー」
相変わらず、するどい声をしている…。
あたしは深く息を吐きドアを開けた。