ひとつの輝き
最寄り駅についた頃には、もう辺りは真っ暗だった。
慌ただしく駆け足でホームに行くサラリーマン達。
缶コーヒーを片手にしゃべり込むOL…
ガンガンと灯りに照らされていた駅から少し離れると確かに確信した人物が目に入った。
「…渉」
駆け寄ろうとした時、あたしの体は硬直してしまった。
「えっ…」
あたしは思わず口元を手で押さえた。
違う制服を着た女が、渉に抱きついた。
あたしは、すぐに目を反らしマンションの方向に向かって走った。
足を止まらせた所は公園。
ただ一つだけある街灯は、いつも座るブランコの横に立っている。
そんな照らされている場所を自らさけ、薄暗い端のほうにあるベンチに腰を下ろした。