ひとつの輝き

しばらくして街灯の横にある時計を見た。 


3:50…


あっ、そうだ…ここの時計とまってんだった。 

もう一度この3時50分に戻りたい…

だったら、親の所にも行ってないし、渉だって見て居ないのに…



あたしは時計から目を逸らし鞄の中に手を入れ携帯を探した。 


「あれ?ない…」 


なんで? 

確か今日、学校で使ったのは覚えてる。 

お母さんの所? 

ううん…違う。一度も鞄から出していない。 

と…すれば学校? 


昼休み里佳さんと屋上に居てて“携帯買ったんだー”とかって他愛ない会話をしてて…


お母さんから電話が掛かってきた時、いつだっけ? 

5時間目の休み時間? 

6時間目? 


いや…放課後? 


あー…もうわかんない。


今日の出来事があまりにも激しくて思い出せない。



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