ひとつの輝き
「ありがと」
渉が持っていた携帯を受け取り、あたしは足を進めた。
「待てよ!美央」
渉に捕まれた腕を見て「ごめん…今日はちょっと」と言って、渉の手を離した。
「は?今日はちょっと…って何?何かあった?」
何かあったって…
それは渉でしょ…
「疲れてるだけ」
そう呟き渉の声も遮って、あたしはマンションに向かって足を進めた。
別に、あたしは渉の彼女でも何もないから深くは言えない。
なんで今日はこんなに苛立つんだろう…。