ひとつの輝き


寝付けないまま何度も寝返りをし、気づけば真っ黒だった部屋が明かりに照らされていた。 


多分あたしは、何も寝てなかったと思う。 



重い体を動かして学校にたどり着いた時は、もう4時間目だった。 


昼休み机に顔を伏せる、あたしの肩に誰かが手をおいた。 

「ねぇ、青山さん」

あたしはパッと顔をあげる。 

「何?」 

クラスの女の子が「呼んでるよ」とドアの入り口に指差した。 

その先を見ると渉がドアに寄りかかっている。 


目があった瞬間、渉の口は動いた。 


「こっち来いよ」

あたしは立ち上がり「何?」と近づいた。 


「お前、何で電源切ってんの?」 

「えっ?」 

「携帯の電源、入ってねーよ」 

「あぁ…ごめん」 


渉は、あたしを見てため息をつく。 



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