ひとつの輝き
「ねぇ渉…もう、あたしに関わらないでよ」
自分でもわかる…。
喉を通して出た声は震えている。
「は?何で?」
渉はあたしから目を反らし壁に背をつけた。
そして軽く息を吐き「よくわかんねーけど、俺はそんな気ねーけど」とあたしに目を向けた。
「でっ…でも」
そこまで言って、あたしは心を落ち着かせる為、息をフーっと吐いた。
「あたし見たんだよ。昨日、駅で女の人と抱きついてたの…彼女でしょ?」
だったら…関わらないでほしいよ。
渉はその場にしゃがみ込み「彼女じゃねーよ」と呟いた。
「俺…美央の事、好きだから」
突然言われた言葉に目を見開き
「あたしも渉のこと…」
あたしが言い掛けた時、渉は思ってもみない事を口にだした。