ひとつの輝き
「ごめん…」
「ごめんって意味わかんないよ。渉の言ってる事がよくわかんない」
「俺もそう思う。だけど今、言った事が本当の事…美央の事、好きだけど付き合えねー」
「何でよ…あたし渉の事、好きだよ」
「ごめ…」
目の前が一気に遮断された様に何もかもが見えなくなり、あたしは顔を押さえて、その場にしゃがみ込んだ。
そして、あたしは最後の言葉を振り絞った。
「だったら、優しくしないでよ…」
優しくしないでよ…
優しくされて、優しくされて…
そんなに近くにいると、あたしの気持ちは“好き”で“好き”で溢れるのに…
渉は“ごめん”…
そう言って立ち上がり、あたしの前から姿を消した。