ひとつの輝き
第2章
1
昨日の夜に届いたドレスを箱の中から取り出した。
黒のシンプルなドレス…
このシンプルなドレスは母の好みであろう。
アクセサリーを身に付ける母は、いつも何もついていないシンプルなドレスを着る。
“ドレスがキラキラと派手だったら、身に付ける物が輝かない”
母はそう言っていた。
そこに目がいかないからと…
あたしは、そのドレスに身を包み箱の中に入っているネックレスを付けた。
そして引き出しの中に入っているピアスをだし何ヵ月か振りに耳の穴に通した。
普段アクセサリーを付けないあたしには違和感がある。