ひとつの輝き
「お母さん、条件かえてほしいの」
それを言ってすぐ母は表情をいっきに崩した。
「おいっ美央、今、言う気かよ」
母達に聞こえないぐらいの声で隼人は、あたしの耳元で言った。
あたしは隼人の言葉を無視し「ねぇ」と声をだした。
「今、それどころじゃないでしょ?」
母が声をあげてすぐ父達が近づいてきた。
あぁ…丁度いいや。
そう思ったあたしは一気に口を開いた。
「もぅ、こーゆーの辞めて!あたし嫌なんだよ」
父と母の眉が真ん中に寄っていくのがすぐに分かった。
「美央、何言ってるの!場所を考えなさい」
母の怒りの後、隣の隼人のため息が、あたしの耳に入ってきた。