ひとつの輝き
「なぁ…美央の格好、この街に合ってないよね?」
えっ?
あたしは下から上えと目で追った。
キャバ嬢か!ってぐらいに派手だった。
「だね…。こんな所、隼人の彼女が見たら怒るね」
ふと思い出し、あたしは笑った。
以前2人が歩いている所を見かけた。
制服は違うかったかな…
「あれ?知ってんの?」
「うん。前に見た掛けた」
「へー…美央は?渉先輩と付き合ってんじゃねーの?」
渉先輩…
あたしの体が敏感に反応する。
今、どうしても聞きたくない名前が耳に入ってきた。
あたしは足を止め「付き合ってないよ」と呟いた。