ひとつの輝き

授業中…

何も頭に入る事はなく、頬杖をついて机と向き合った。 


なんとなく気になる事があって、あたしは隣に目を向けた。 

「ねぇ?」


そんな、あたしの声に隼人は気付き「何?」と返してきた。 


「あのさ、会社継がないって本当?」 


あたしは少しだけ机を隼人のほうに寄せた。 


「あぁ…」

「いいの?」

「知らね」


別にどうでもいいような返事。 

「昨日怒られた?」

「まぁーね…」 


あり得ない事をしたあたし達。 

もぅ終わった事は、どうにもできない。 

だけど…それほど親にいい子を演じてるのは嫌だった。 


“親は子供の事を一番に考えてるよ” 


前、住んでいた隣のおばさんに言われた事があった。 



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