ひとつの輝き

まるでその先は“言っちゃダメ”って言うように遮られたみたいだ。 


口を開かない、あたしを見た里佳さんは目の前に置いてあるアイスティーを口に含み先に口を開いた。


「渉さ、いつもと違うんだ。美央ちゃんもだけど…どうかした?」 


どうかした?と言われても… 

“振られました”とでも言ったらいいんだろうか。


だけど隠してても意味ないか…。 


渉と里佳さんは幼なじみ。 

里佳さんの彼氏の龍斗先輩も幼なじみ。 



深い深い昔からの関係をもっている人には、なんとなくバレる気がした。 


渉が話してないのなら、あたしから切り出そう。


あたしは深く息を吐き重い唇を動かした。 



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