ひとつの輝き

「美央ちゃんさ…何か見た?」 

「…見たとは…何がですか?」 


あたしには全然わからなかった。 


「渉と一緒に誰か居る所みた?」 


一緒に居る所?

「それって誰ですか?」


里佳さんは目を泳がせながら「女とか…」と声を漏らした。 


…女? 

まさか渉に抱きついてた女の事? 

また、あたしが思い出したくない事。 

視界がぼやけそうになる…。 


「女って、渉と抱きあっていた人かな…」 


あたしが呟くように言うと里佳さんは声をあげた。 


「えぇっ!抱き合ってたの?」 


いや…ちゃんと言えば女が抱きついていたのかな?


「女の人が渉に…」 

そこまで言うと里佳さんは身を乗り出すように言ってきた。 



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