二人だけの甘い聖夜を
システムエンジニアとして企業に勤めている優斗は、基本は週休二日の日勤制。
でも、土曜日の出勤も交代であったりして、休みが少ない週もたまにある。
約束の今日、二十四日は、そのたまの出勤日で、朝から会社に出掛けていった。
パパが仕事に行ったあとの我が家は、クリスマスイブでも普段と変わらない。
子どもたちが朝の子ども番組を観ながら歌ったり踊ったり楽しそうにしている横で、私は洗濯や掃除の家事をこなしていく。
五歳になる長女の瑠夏は、幼稚園の年中さん。
もう冬休みに入っていて、朝から弟の駿の遊び相手になってくれている。
優斗から今日のことを聞かされた二人は、「ミロチロと遊べるー!」と、ばあばの家に行けることを数日前から物凄く喜んでいた。
お義母さんのところは、猫を二匹飼っていて、二人はその猫と遊ぶのを毎回楽しみにしている。
そんなわけで、今日は朝からばあばの家にお泊まりに行くのを今か今かと待っていた。
二人を送っていくと、お義母さんは快く二人を預かってくれた。
わざわざ子どもたちにクリスマスプレゼントも用意してくれたらしく、
「早く寝たらサンタさんがプレゼント持ってきてくれるからって言って寝かせるから」
なんて言っていた。
「たまには夫婦水入らずゆっくりしてきて」
とも言ってくれて、子どもたちと三人で送り出してくれた。
「いってらっしゃーい」と笑顔で手を振る子どもたちの様子に、心配していたあれこれはフッと軽くなった。