そこの御曹司、ちょっと待ちなさい!
ビルの高層階にあるホテルの一室をとってあるというので、そのまま50階にエレベーターで向かう。
私たちの職場でもあるこのビルからは、私の家も慎吾の部屋も近いけど、アルコールを飲んでしまったし、早い段階で泊まるつもりだったらしい。
それはいいんだけど、いつの間に部屋とったのよ。
さすが御曹司、間抜けなように見えて、意外と段取りはいいわけね。
「ここ?」
「うん」
50階のある部屋の前で足を止めると、慎吾は慣れた様子でシャツの胸ポケットからカードキーを取り出し、これまた慣れた様子でドアを開ける。
私は初めて入ったけど、慎吾は何度か泊まったことがあるのかもしれない。
シンプルだけど、グレードの高そうな内装にベッド。
タクシーや電車に乗ればすぐ家に帰れるのに、わざわざこんな良い部屋をとってしまう慎吾は、やっぱり私とは別の世界で生きてきた人間だと改めて感じる。
それに、仕事はできない行動が残念と言われているけど、今日のパーティーでの慎吾の立ち居振舞いはさすがに洗練されていた。
お人好しでも、残念でも、御曹司ってわけだ。
私たちの職場でもあるこのビルからは、私の家も慎吾の部屋も近いけど、アルコールを飲んでしまったし、早い段階で泊まるつもりだったらしい。
それはいいんだけど、いつの間に部屋とったのよ。
さすが御曹司、間抜けなように見えて、意外と段取りはいいわけね。
「ここ?」
「うん」
50階のある部屋の前で足を止めると、慎吾は慣れた様子でシャツの胸ポケットからカードキーを取り出し、これまた慣れた様子でドアを開ける。
私は初めて入ったけど、慎吾は何度か泊まったことがあるのかもしれない。
シンプルだけど、グレードの高そうな内装にベッド。
タクシーや電車に乗ればすぐ家に帰れるのに、わざわざこんな良い部屋をとってしまう慎吾は、やっぱり私とは別の世界で生きてきた人間だと改めて感じる。
それに、仕事はできない行動が残念と言われているけど、今日のパーティーでの慎吾の立ち居振舞いはさすがに洗練されていた。
お人好しでも、残念でも、御曹司ってわけだ。