そこの御曹司、ちょっと待ちなさい!
いくら、兄たちが優秀で、弟が落ちこぼれでも、遺産を相続する権利は平等にある。

御曹司としてのコネ、遺産を相続する権利。


「私は、慎吾(のお金)がいい」


兄御曹司が結婚してくれるならともかく、慎吾の元彼女が蒸発して、兄は何もしてないところをみると、ただの遊び相手だったんだろう。   

慎吾には悪いけど、頭の悪い女。 
   

男として魅力的だった?それがなに? 
結局慎吾も兄御曹司も、セレブ妻の座も、何一つ手に入れてないじゃない。  

完璧な長男御曹司のたった数回の遊び相手にされるよりも、残念な三男御曹司と結婚する方が確実に得するに決まってる。 

慎吾の元カノは違ったみたいだけど、私なら、さすがにそれくらいの簡単な計算はできるわ。

 
「......真由。

もしも僕を選んでくれても、......これからも僕と付き合い続けるなら、あの人たちとも付き合わなきゃいけなくなるよ。前の彼女はそれがだいぶストレスだったみたいだ」

「大丈夫よ、私に任せて?
慎吾のご家族だもの、きっと上手くやれるわ。
これでも私、意外とたくましいのよ?」
 

そんなストレスがたまった彼女を、兄が上手くたぶらかした、と。

予想だけど、慎吾の元カノが浮気した理由が何となく分かった気がする。
 
それでも婚約者の兄にいくのは、さすがにどうかとは思うけど。
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