そこの御曹司、ちょっと待ちなさい!
心配しなくても、もちろん私はそこまで繊細ではない。

遺産争族(相続)、法廷争い、ばっちこいよ。

もし何かもめて裁判沙汰になったとしても、お金のことには一歩も引く気はない。

慎吾は優しいし家族だから、徹底的にあの人たちと戦うなんてできないでしょうけど、私にとってはしょせん他人。
 
そこは全て私に任せてくれたらいい。 
きっと上手くやってみせるわ。


「さっきのパーティーでのこと、慎吾がお母様に言ってくれたこと、すごく嬉しかった。
お母様も慎吾を思ってのことだとは、もちろん分かってるのよ?でも、慎吾が守ってくれたことは、素直に嬉しかった。ありがとう慎吾。

慎吾はいつも私を守ってくれるし、大切にしてくれる。

だから、......私も、慎吾を守りたい」


正面から慎吾に抱きついて、甘えるように身を寄せる。


拝金主義で腹黒だとは自覚しているけど、こう見えても意外と義理堅い性格(?)。

慎吾が私にそれ相応のもの(お金)を与えてくれるなら、リターンはするつもり。

慎吾を害するものから、全力で慎吾を守る。


それに......、さっきかばってくれたことが嬉しかったというのは、本心だった。

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