そこの御曹司、ちょっと待ちなさい!

・残念御曹司の残念じゃないところ?

婚約パーティーがあった次の週末、金曜の夜。
 
定時で上がった私は、ジムにも寄らずに、家で料理をしている。   

今日の夕食は、ロールキャベツにほうれん草のおひたし、さんまの塩焼き、それから味噌汁。  


本当は料理なんて面倒だし、一汁三菜なんて言うけど、こんな細々とした料理は大嫌い。

だから普段は、適当に野菜や肉をぶちこんで鍋にしたり、炒めたり、とにかくワンプレートものばっかり。

小分けしようが、一気にまとめてぶちこもうが、とれる栄養は一緒でしょ?


でも、今日は慎吾がくるから別。 
どうでもいい貧乏男ならともかく、御曹司様は特別。


ちょうど全ての料理が出来上がった頃にインターホンがなったので、いそいそと玄関へ向かう。 


「いらっしゃい、慎吾。
あがって?」


予想通り、玄関の外にいたのは、いつも通り高級ブランドの服をきた慎吾。
 
にっこりと笑いかけて、早く部屋に入るように促す。
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