そこの御曹司、ちょっと待ちなさい!
「ふーん......。ま、いいや」
兄御曹司は一瞬つまらなそうな顔をした顔をしたけれど、すぐにはりつけたような笑みを浮かべた。
「だけど、その言葉が本当だとはとても思えないんだよね。
真由さんさぁ、慎吾と同僚の男と同棲してたでしょ?
それって、慎吾は知ってるの?」
「はい?」
「ちょっと調べさせてもらったよ。
身辺調査」
テーブルの下のカゴに置いてあったビジネス用のカバンから、一枚の紙を取りだし、慎吾の兄はそれをテーブルの上に置く。
それから探るような視線を私に向けた。
「大学の時の彼氏は、逮捕歴あり。
売れないバンドマンで、ほぼ無職同然のヒモ男とも付き合ってるね。なかなか良い男の趣味してるみたいだねー。
同棲してた彼はまともな人みたいだけど、真由さんのタイプって慎吾とは違うんじゃない?
慎吾と付き合ったのはどうしてかな?」
「......勝手に人の過去を掘り起こすなんて、法的にどうなんですか?
誰にだって知られたくないことはあるし、叩いて全くホコリの出てこない人間なんていないと思いますけど?
わざわざ身辺調査までして何が目的なんですか?
そもそも弟の恋人を奪おうとするのは、趣味がいいんですか?慎吾が嫌いなの?」
「そっちが本性なの?」
自分では落ち着いて話していたつもりだったけど、ついきつい言い方になってしまったのか、慎吾の兄は肩をすくめる。
別に私自身に逮捕歴があるというわけでもないし、そこまで調べられて困る過去もない。
まあ同棲していたことがバレるのはあまり望ましくないけど、それよりも勝手に調べられるのは気分が悪い。
兄御曹司は一瞬つまらなそうな顔をした顔をしたけれど、すぐにはりつけたような笑みを浮かべた。
「だけど、その言葉が本当だとはとても思えないんだよね。
真由さんさぁ、慎吾と同僚の男と同棲してたでしょ?
それって、慎吾は知ってるの?」
「はい?」
「ちょっと調べさせてもらったよ。
身辺調査」
テーブルの下のカゴに置いてあったビジネス用のカバンから、一枚の紙を取りだし、慎吾の兄はそれをテーブルの上に置く。
それから探るような視線を私に向けた。
「大学の時の彼氏は、逮捕歴あり。
売れないバンドマンで、ほぼ無職同然のヒモ男とも付き合ってるね。なかなか良い男の趣味してるみたいだねー。
同棲してた彼はまともな人みたいだけど、真由さんのタイプって慎吾とは違うんじゃない?
慎吾と付き合ったのはどうしてかな?」
「......勝手に人の過去を掘り起こすなんて、法的にどうなんですか?
誰にだって知られたくないことはあるし、叩いて全くホコリの出てこない人間なんていないと思いますけど?
わざわざ身辺調査までして何が目的なんですか?
そもそも弟の恋人を奪おうとするのは、趣味がいいんですか?慎吾が嫌いなの?」
「そっちが本性なの?」
自分では落ち着いて話していたつもりだったけど、ついきつい言い方になってしまったのか、慎吾の兄は肩をすくめる。
別に私自身に逮捕歴があるというわけでもないし、そこまで調べられて困る過去もない。
まあ同棲していたことがバレるのはあまり望ましくないけど、それよりも勝手に調べられるのは気分が悪い。