そこの御曹司、ちょっと待ちなさい!
百歩譲って慎吾の親が身辺調査したというなら、まだ理解できるけど、なんでこの人が?
私に執着してるのは、私自身に興味があるわけじゃなくて、きっと私が慎吾の恋人だから。
以前も慎吾の婚約者と浮気したという前科もある。
慎吾に何か恨みでもあるわけ?
「弟を嫌いなわけないよ、逆。
彼女を奪われても、簡単に俺を許す慎吾が可愛くって。
ついついいじめたくなる」
......は?
とんでもないドSってこと?
屈折しすぎでしょうよ。
にっこりと笑った慎吾の兄に、鳥肌がたちそうになってしまった。
ぞっとしてる間もなく、気づくと目の前には慎吾が立っていた。
なぜか息を切らして。
「おつかれ、慎吾。
仕事終わったのか?」
「......何してるの?」
何でここが分かったんだろう、兄から聞いたのかな。
そんなことを考えている間に、慎吾の兄が声をかけると、慎吾はびっくりするくらいに冷たい声を出した。
「何って、真由さんと話してただけ」
「......真由に何かしたら、本気で許さない」
「だから、何もしてないって。
そもそも、そこまで価値のある女性なわけ?
慎吾が驚くような過去があるかもな」
テーブルの上にあった身辺調査の紙を兄が渡すと、慎吾は一瞬だけそれに目をやったけど、すぐにそれを裏向きにしてテーブルの上に伏せた。
私に執着してるのは、私自身に興味があるわけじゃなくて、きっと私が慎吾の恋人だから。
以前も慎吾の婚約者と浮気したという前科もある。
慎吾に何か恨みでもあるわけ?
「弟を嫌いなわけないよ、逆。
彼女を奪われても、簡単に俺を許す慎吾が可愛くって。
ついついいじめたくなる」
......は?
とんでもないドSってこと?
屈折しすぎでしょうよ。
にっこりと笑った慎吾の兄に、鳥肌がたちそうになってしまった。
ぞっとしてる間もなく、気づくと目の前には慎吾が立っていた。
なぜか息を切らして。
「おつかれ、慎吾。
仕事終わったのか?」
「......何してるの?」
何でここが分かったんだろう、兄から聞いたのかな。
そんなことを考えている間に、慎吾の兄が声をかけると、慎吾はびっくりするくらいに冷たい声を出した。
「何って、真由さんと話してただけ」
「......真由に何かしたら、本気で許さない」
「だから、何もしてないって。
そもそも、そこまで価値のある女性なわけ?
慎吾が驚くような過去があるかもな」
テーブルの上にあった身辺調査の紙を兄が渡すと、慎吾は一瞬だけそれに目をやったけど、すぐにそれを裏向きにしてテーブルの上に伏せた。