涙のYOKOHAMA
☆☆
私のことを『好き』だと言わない寿彦さんが、好きなもの。
それは、野球だった。
ライバルが女性なら、ファイティングポーズをして立ち向かうけれど……。勝負の仕様がない。
草野球チームに所属する寿彦さんは、仕事の合間を縫うようにして練習し、休日は試合を心待ちにしていた。
グラウンドの上の寿彦さんは、いきいきと輝いていて、眩しいくらいだった。グラウンドは、寿彦さんが自分を表現できる唯一の場所だった。
試合が終わり、ユニフォームを脱ぐと、とたんに存在感がなくなる。ショートという花形のポジションで、光を放っていたのに、光が消える……というか。
長身で目立ってもおかしくないのに、なぜか目に止まらないのだ。
目に止まらないほうが、私には都合がよかったけれど。
それは、野球だった。
ライバルが女性なら、ファイティングポーズをして立ち向かうけれど……。勝負の仕様がない。
草野球チームに所属する寿彦さんは、仕事の合間を縫うようにして練習し、休日は試合を心待ちにしていた。
グラウンドの上の寿彦さんは、いきいきと輝いていて、眩しいくらいだった。グラウンドは、寿彦さんが自分を表現できる唯一の場所だった。
試合が終わり、ユニフォームを脱ぐと、とたんに存在感がなくなる。ショートという花形のポジションで、光を放っていたのに、光が消える……というか。
長身で目立ってもおかしくないのに、なぜか目に止まらないのだ。
目に止まらないほうが、私には都合がよかったけれど。