拗らせDKの偏った溺愛



教室の中は新しく種目が書き足されるたびにザワついて、どれに出たいとか出たくないとかで徐々に盛り上がってきていた。

美咲は相変わらずミミズが這ったみたいな字を書いているけど、誰もそれに突っ込まないところをみると、クラス中がだいぶテンション高めなんだろう。

俺は基本、こういう行事は不参加だし、正直この時間は退屈で暇。

だから、ぼーっと黒板を眺めてた。

しばらくして、クラス中が一際ザワついた。


「なんだ?」


思わず呟いた俺に、隣の席の…コイツ誰だっけ?…が、


「あれが体育祭の最後の種目で、毎年1番盛り上がるやつなんですよ!」


と嬉しそうに教えてくれた。

改めて黒板を見ると

"クラス&学年対抗男女混合リレー"

と書かれていた。


「リレー…そんな盛り上がんの?」


俺が不思議に思って聞くと、益々嬉しそうな顔をして説明を始めた。


「そりゃ、もう!配点も他の種目より大きくて、これで逆転狙って優勝するクラスもありますから」

「ふーん」


正直どうでもよかったけど、鼻息荒く説明されたから一応返事だけしといた。

けど、これが良くなかったらしい。




< 108 / 251 >

この作品をシェア

pagetop