拗らせDKの偏った溺愛
教室の中は新しく種目が書き足されるたびにザワついて、どれに出たいとか出たくないとかで徐々に盛り上がってきていた。
美咲は相変わらずミミズが這ったみたいな字を書いているけど、誰もそれに突っ込まないところをみると、クラス中がだいぶテンション高めなんだろう。
俺は基本、こういう行事は不参加だし、正直この時間は退屈で暇。
だから、ぼーっと黒板を眺めてた。
しばらくして、クラス中が一際ザワついた。
「なんだ?」
思わず呟いた俺に、隣の席の…コイツ誰だっけ?…が、
「あれが体育祭の最後の種目で、毎年1番盛り上がるやつなんですよ!」
と嬉しそうに教えてくれた。
改めて黒板を見ると
"クラス&学年対抗男女混合リレー"
と書かれていた。
「リレー…そんな盛り上がんの?」
俺が不思議に思って聞くと、益々嬉しそうな顔をして説明を始めた。
「そりゃ、もう!配点も他の種目より大きくて、これで逆転狙って優勝するクラスもありますから」
「ふーん」
正直どうでもよかったけど、鼻息荒く説明されたから一応返事だけしといた。
けど、これが良くなかったらしい。