拗らせDKの偏った溺愛



竜也はアレでいて結構ピュアなところもあったし、真っ直ぐな性格だったから、いろんなトラブルに巻き込まれても、誠心誠意なんとか解決しようと、いつもがんばっていた。

でも、元々ちょっと天然だったこととか、不器用な性格だったことも相まって、スムーズに解決できないことが増えていった。

僕も、できる限りのことは手伝ったけれど、最後はやっぱり竜也じゃないとダメなことがほとんどで。

きっと、竜也がもっといい加減なヤツだったら、そんなに悩んだり傷ついたりせずに済んだはず。

でも、そうじゃなかった。

竜也は、みんなから期待されれば、それに応えようとがんばったし、期待に応えられるだけの能力も十分あった。

不器用だったから、あちこちで衝突することも多かったけれど…。

多少の問題や失敗があっても、一生懸命な姿を多くの人が好感をもってみていたはず…。


それなのに、ごく一部の、本当に自分勝手な奴らが…そのがんばりを台無しにした。

そしてある日、竜也を変える大きな転機になった事件が起きた。


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