拗らせDKの偏った溺愛



当時、自称だけど竜也の彼女だった1つ上の先輩が、元彼と名乗る男に連れ去られた。

竜也のところに

「女を返して欲しければ、一人で来い」

と連絡があったらしく、竜也は馬鹿正直に一人でそこへ向かった。

でも、そもそも連れ去ったこと自体が嘘で、全てはその先輩の作戦だったらしい。

竜也がなかなか自分のことを見てくれないのに痺れを切らした先輩が考えたシナリオはこうだ。


まず、悪い元彼に自分がさらわれる。

次に竜也に助けに来させる。

助けに来たはいいが、多勢に無勢…健闘虚しく竜也がボコボコにされる。

それを涙ながらに庇う彼女。

その彼女の健気さに免じて引き上げていく悪い元彼とその仲間たち…。

傷つき倒れた竜也を甲斐甲斐しく世話することで、竜也の心はついに自分のものに…っていう三流芝居も真っ青なシナリオ。

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