拗らせDKの偏った溺愛



高村くんはチラッと私と森本くんを見ると、眼光を鋭くさせてから、こちらへと歩いて来られました。


はわわわわ…!! 


なにかわかりませんが、非常に危険を感じます!

ツカツカと大股数歩で私と森本くんが座っている所まで来た高村くん。

無言で私を睨んだかと思うと、意外なことに森本くんに向かって、


「お前、こいつとなにやってんだ?」


と、それはそれは低い声で唸るようにおっしゃいました。

森本くんは途端に真っ青な顔になられて、やや震える声で


「た、体育祭当日の委員の仕事をっ、仕事の内容を、う、打ち合わせっ、して…してました!すいません!!」


噛みまくりつつも、なんとか言い切るとともに、なぜか最後は謝るという微妙なお返事でしたが…わかります!その謝ってしまうお気持ち!

それくらい、殺気といいますか、怒気、というのでしょうか。

ここだけ空気が違うような気がします…!

問われたのは森本くんですし、答えたのも森本くんですが、高村くんがそれに対して何とおっしゃるかを待つこの一瞬に、冷や汗が背を流れるのを感じます。


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