拗らせDKの偏った溺愛



高村くんに寝癖とか…それはそれで可愛いかもしれません。


「おっ、スゲー」


不意に聞こえた高村くん本人の言葉に、ハッと我に帰りました。


「でしょ〜!!」


佐藤さんの嬉しそうなお返事に、私も自然と旗に目がいきます。

先ほどより色がしっかり乗せられていて、黒い龍の鱗に銀が挿し色として使われています。

猛々しい茶金の虎を静かに睨みつける黒龍。

すごい迫力です。


「迫力満点だな。これ、お前がデザインしたのか?」


高村くんが興味津々で佐藤さんに質問されるものですから、佐藤さんは顔を赤らめつつも、とても嬉しそうに説明されています。


「そうだよ〜!構図と色指定は私!でも、実際の色塗りは京子とえっちゃんがメインなの!」


「3人は美術部なんだよね」


佐藤さんの説明に虎谷くんが微笑みながら付け足しされたので、御三方はそろって頬を染めながら嬉しそうに頷いてらっしゃいます。



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