拗らせDKの偏った溺愛
なんですが…あれ?
競技名を言う瞬間、無意識に目を閉じてしまっていたので、恐る恐る開けてみることに。
当然、参加するという意味の承諾のお返事がもらえると思って、高村くんの顔を見てみたのですが…。
肝心の高村くんとはと言うと、目があった瞬間は驚きに軽く目を見開いていらっしゃいました。
ですが、その直後にスッと細められた目は、なんだが怖い感じなのですが…。
もしや、障害物競走はお気に召さなかったのでしょうか?と不安になった私の予感は的中してしまいました。
「へぇ、美咲は俺に地面を這いつくばれって言うわけか?」
「えっ!?えぇっ!!??」
「障害物競走ってアレだろ?モノを持ったり引っ張ったりしながら走ったり、障害を飛び越えたり。果ては網みたいなやつをくぐり抜けたりするやつだろ?」
不機嫌オーラが滲み出るままに質問されて、初めて障害物競走がお気に召さなかった理由がわかりました。
どうやらよくある、障害物として地面に置かれた網のようなモノの中に入り、四つん這いでそれをくぐり抜けるような状況を言っておられるようです。
「そ、それはっ」
私が大慌てで説明しようとしたのですが、今日はなんとも頼もしい味方が周りにたくさんいらっしゃいました。