拗らせDKの偏った溺愛
よし、このイライラは美咲に解消させよう。
なんといっても原因は美咲なんだしな!!
そう思って美咲の姿を探したが、どこにもいない。
いつの間にか俺と貴紀の周りに人がいっぱい集まっていて、ガヤガヤうるさくてしょうがない。
「おい、貴紀」
突然俺が話しかけたからか、貴紀はもちろん、周りの奴らも一斉に黙った。
そのせいで、シンとなったが、気にしちゃいられない。
せっかく回収しに来たはずの美咲がいなくなったとか、無駄足以外のなにものでもないからな。
「どうしたの、竜也?」
「あいつ、どこ行った?」
「あいつって・・・美咲ちゃん?」
「それ以外、誰がいるんだよ」
不機嫌さを隠しもせずに受け答えしてるってのに、貴紀はのんびりしたものだ。
「そういえば、姿がないみたいだね?誰か知らない?」
貴紀が周りにいる奴らに聞いているが、
「え~、美咲って委員長のことだよね?見た?」
「竜也さんの下僕だろ?」
美咲についてざわめきが起こるものの、居場所の情報が全然でてこない。
あいつ~~~!!
どれだけ俺をイライラさせたら気が済むんだ!!