拗らせDKの偏った溺愛



「こ、今後はお名前で呼ばせていただきますので!!大変失礼致しました!!!」


私は精一杯の声を張り上げると、勢いよく頭を下げました。

それはもう、90度に腰を折って。


「…」


高村くん、いえ、りゅ、竜也くんからは無言しか返ってきません。

それでも許されるまでは、お仕置きを回避するまでは頭を上げられません〜!

根比べとばかりに頭を下げ続ける私の頭上から、


「はぁ〜〜」


というため息が聞こえてきました。

と、いうことは!!


「わかったわかった。お前が反省してるってことはよーく伝わった」


その言葉にパッと頭を上げると、諦め顔の高村く・・もとい竜也くんがいました。

許していただけたようです!

と思った瞬間でした。


「へぇ〜、美咲”ちゃん”は、今ので許してもらえたと思ったわけだ?」


諦め顔はどこへやら、ニヤッと笑いながら、目線の高さを合わせてこられました。

これはマズいパターンでは!?


「め、滅相もない!!」


思わず言葉にすると、


「だよな!」


と、途端にニコリと綺麗な笑顔になられました。

ひぃ〜〜〜!!

これはもしや最悪のパターンに足を踏み入れてしまったのでは!?


「そんなわけでお仕置き〜〜」


そう言って綺麗な笑顔のまま一歩私へと踏み出す竜也くん。

それとは反対に一歩後ずさる私。

これを絶体絶命と言わずしてなんというのでしょうか!!!???


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