拗らせDKの偏った溺愛
新しいミッションを言い渡した時はやや不満顔だった美咲だが、途中で勝手に何かに納得した顔をして、最後にお仕置きと聞いた途端にサッとこわばった。
そして一瞬で青ざめたかと思うと、あっという間に真っ赤になる。
そのまま、お仕置きのきっかけとなった会話について話すも、美咲の顔は赤いままだ。
なんだかんだと言いながら逃れようとしていた美咲だったが、最後に
「こ、今後はお名前で呼ばせていただきますので!!大変失礼致しました!!!」
と言って、勢いよく頭を下げてきた。
そのまま微動だにしない美咲を見て考えた。
どう言うのが一番面白くなりそうか。
「わかったわかった。お前が反省してるってことはよーく伝わった」
そう言うと、嬉しそうな顔をしながら顔を上げる。
どうやら、俺が許したと勘違いしたらしい。
ばーか、誰が許すかよ。
「へぇ〜、美咲”ちゃん”は、今ので許してもらえたと思ったわけだ?」
そう言ってやると、今度は絶句して固まった。
次に出てきた言葉は
「め、滅相もない!!」
はい、言質いただきました〜。
「許してもらえたと思うか?」の問いに「滅相もない」っていう否定の答え。
要は自分で自分のやったことは許されないことですって言ったことになる。
「だよな!そんなわけでお仕置き〜〜」
俺が視線を合わせたまま一歩近寄ると、美咲は一歩後ずさった。
あ〜、これこれ。
この顔が見たかったんだよなぁ。
真っ赤に染まる頬。わずかに潤む瞳。その瞳に映ってるのは俺だけ。
もう一歩足を進めると、美咲はそれに合わせるかのように後ずさる。
それを繰り返して、とうとう壁際に追い詰められた美咲。
さぁ、今回はどういう反応するかなぁ…。
カバンを胸に抱き締めて、精一杯の距離を取ろうとする美咲を壁際まで追い詰めた。
俺があと一歩踏み出せば、俺と美咲の距離は簡単にゼロになる。
「美咲”ちゃん”はどんなお仕置きをすれば、俺の言ったことが守れるようになるのかな?」
最後通告とばかりに言ってやると、間近で俺を見つめる美咲の目に、とうとう涙が浮かんだ。