拗らせDKの偏った溺愛
そんなやりとりをされている裕司さんとおぼっちゃまの目を盗んで、こっそり竜也くんの方を確認。
うひゃぁ〜〜〜〜〜!!!
怒ってらっしゃいます!!!
今まで見た中で、ダントツに怒ってらっしゃるのがわかるくらい、怒ってらっしゃいます。
こ、これは、ひじょ〜にマズいです。
でも、竜也くんの言いつけとは関係ないですから、このことでお仕置きは発生しないはず…!
竜也くんは、それはそれは恐ろしい目線を一瞬私に向けたものの、おぼっちゃまを庇うように裕司さんが立たれたのを見て、ゆっくりと視線をおぼっちゃまへと戻されました。
「裕司!!あいつをやっつけろ!!!」
おぼっちゃまが金切声で裕司さんに命令するものの、肝心の裕司さんは微動だにしません。
代わりに裕司さんの背後にいらっしゃるおぼっちゃまに、めんどくさそうに話し始められました。
ただし、鋭い目線を竜也くんに向けたまま。
「若、オヤジさんの言いつけをお忘れですか?カタギに手を出す時は相応の覚悟をしろと言われたはずです。
若が下っ端を連れてこのクソガキを襲った時点で、相応の覚悟を求められるってぇのに、私が関わったら、若はカタギとの喧嘩にオヤジさんを巻き込むことになるんですよ?」
裕司さんのお話は前半は理解できましたが、後半はよくわかりません。
情けないことに頭にクエスチョンマークしか浮かばない私でしたが、どうやらおぼっちゃまも同じらしく
「「???」」
二人で困惑気味な顔をしていたのですが、竜也くんには理解できたようです。
「アンタはそのバカの側近じゃないわけだ?」
「えぇ。オヤジさんから若が何かしでかしそうだから、成り行きを見届けてこいという命令を受けましてね。しかし…。はぁ〜、ことと次第によっちゃ、破門ですよ?」
裕司さんは前半を竜也くん向けに、後半をおぼっちゃま向けにおっしゃいました。