拗らせDKの偏った溺愛
とにかく竜也くんと裕司さんの決着は、竜也くんの読み通り時間がかかりそうです。
そして、二人の間におぼっちゃまが割って入れば、その分かかる時間も増えていくはずです。
竜也くんの”大事な用事”が体育祭に出ること、というか、体育祭に出ることを”大事な”用事と思ってくださっていることがわかって嬉しかった私は、どうにかして竜也くんの想いに応えたいと思ったのです。
おぼっちゃまは思惑が外れた腹いせに、罵るだけでなくさらに私を蹴ってきました。
バシッ!
軽い蹴りでしたので、おぼっちゃまを刺激しないよう、あえて大人しく蹴られておきました。
「キャッ!」
可愛く小さな悲鳴をあげて、少しばかりよろけておけば、おぼっちゃまも満足されると踏んだからです。
今は下手におぼっちゃまを刺激しないように、可能であれば油断させておきたいです。
そして、チャンスがあれば少しでも竜也くんの役に立てるようなことができればと思ったのです。