拗らせDKの偏った溺愛
「す、すみません!遅くなり申し訳ありません!!」
実行委員のテントに駆け込むと、ちょうどそこにいた森本くんに
「あっ!委員長~、来るの遅いぞ!!」
と渋い顔をされてしまいましたが、当然のことと言えます。
「森本くん、ほんとうにごめんなさい。私たちが担当の競技、もう終わってますよね・・・」
「とっくに終わってるし。委員長がいないから、代わりの人が手伝ってくれたんでなんとかなったけどな」
「そうだったんですね!どの方でしょうか!?お礼を・・・」
意気込む私に森本くんが言うには、
「あぁ、お礼とかなくて大丈夫。代わりにそいつが担当だった競技を委員長が担当することにしてもらったから」
なるほど。それだと私の申し訳ない気持ちも、少しは軽くなります。
「森本くん、ありがとうございます!森本くんの機転のおかげで助かりました!!」
私の分まで森本くんが1人で、となると申し訳ない気持ちでいっぱいだったでしょうし、単に私の分までほかの方が、となるとさらに居たたまれない気持ちになったかもなのです。
それを担当を交代することで解決してくださったおかげで、申し訳なさではなく感謝の気持ちでいっぱいになりました。