拗らせDKの偏った溺愛
ひときわ声援が大きくなったを不思議に思って、スタートラインに並ぶ12人を見ると、その中に竜也くんがいました。
なるほど、そういえば撤去&設置の関係で、ハードルを飛んでいる方は必ず見ていなくてはならなかったのですが、竜也くんはいらっしゃいませんでしたね。
いたのに気付かなかった、とは絶対にならない方ですから・・・。
竜也くんは、というと、なぜかその柳眉をひそめて難しい顔をされています。
あれ?、と思っていると、目がバチっと合いました。
あ、あれ?なんだが睨まれているような・・・?
なにかに対してお怒りなご様子ですが、もしかして私、なにかしてしまったでしょうか?
それとも、もしかして競技そのものがダルい!?
確かに乗り気でなかったのは存じておりますので・・・。
それなのに出場することになったのは私のせいのような気もします。
ゴクッ
自然と喉が鳴ります。
私、なんだかヤバイような・・・。
疲れて出た汗とは違う汗が吹き出しそうになった時、今日一番の声援が上がる中、いよいよ最後の障害物競走が始まってしまいました。
パァン!!
競技開始を知らせるピストル音が響きます。