拗らせDKの偏った溺愛


俺は腕の拘束を外してもらっている間に、美咲に向かって怒鳴った。


「美咲!その土嚢、しっかり持ってろ!!」


俺がそう言っているにもかかわらず、


「えぇ!?」


とかなんとかパニック状態の美咲。

俺は拘束が解かれるとともに、美咲のそばまで走り寄ると、土嚢ごと抱き上げた。

一応、美咲が土嚢を抱えてはいるが、このまま走ったらコイツのことだ、うっかり途中で落としかねない。


「お前、その土嚢落としたら、全校生徒の前でお仕置きだからな」


とだけ念押しして、俺は美咲を抱きかかえたまま走り出した。

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