拗らせDKの偏った溺愛
自分を綾乃ちゃんに置き換えて想像してみました。
なんだかんだと命令されますが、竜也くんは作ったご飯は全部食べてくださいますし、毎回必ず
「うまかった、ごちそーさん」
と言ってくださいます。
朝起こすのも、最初の何度かはドキドキの方が大きくて大変でしたが、慣れると大きなベッドの上で猫のように丸まって寝ているのがかわいく思えてきました。
なかなか起きてくださらないのですが、ベッドの上でぼんやりしている時に
「今日の朝ご飯は竜也くんの好きな出汁巻き卵がありますから!ちゃんと起きてきてくださいね」
と言うと
「ん・・・」
とお返事される姿は小さな子供のようだったりもします。
普段学校ではモデルさんのようにピシッとしてらっしゃるので、ギャップがすごくて。
慣れてきてからは違うドキドキでいっぱいでした。
あのドキドキを綾乃ちゃんが代わりに・・・。
”自分だけが知っていることの喜び”とでも言うのでしょうか。
他では経験したことのない竜也くんへのドキドキを綾乃ちゃんに譲るのは・・・正直面白くない、というか・・・すごく嫌・・・です。
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あとは、その、、キ、キスとか。
閻魔帳に「高村くん」呼びをカウントされていたときのお仕置きを思い出して、顔どころか耳まで熱くなります。
「えっと・・・、あれを綾乃ちゃんにも・・・?」
途端に、じわっと目に涙が浮かびました。
「あれ?」
自分でもびっくりです。
「嫌なんだ?」
綾乃ちゃんに優しく聞かれて気づきました。
あんなに避けたいと思っているお仕置きですら、ほかの誰かにするかもと思うだけでこんなに嫌だなんて・・・私、思っていることが無茶苦茶です。