拗らせDKの偏った溺愛
「美咲は、リュウくんのことが好き?」
「好き?そうなんでしょうか・・・?」
「それは美咲にしかわからないことだよ?ただ」
「ただ?」
「もし、ほんとうに美咲がリュウくんのことが好きなんだったら、あそこでこっちを見ている女子を押しのけてリュウくんの隣、っていうポジションを自分で獲得しなくちゃだね!」
ニコッと笑顔を浮かべた綾乃ちゃんが指差す先には、私たちのクラスの応援席とそれをグルッと取り囲む女の子たち。
あれを押しのけて・・・?
「む、無理ですよ!」
思わず言うと、
「それじゃあ、リュウくんに本物の彼女ができたら、今の美咲がやってる”下僕としてのお仕事”も”下僕にするお仕置き”も、きっともっと優しい形で彼女だけのものになるね」
綾乃ちゃんは相変わらず笑顔のままですが、先ほどと違って目が笑っていません。
「美咲はちゃんと考えた方がいいと思う」
「はい・・・」