拗らせDKの偏った溺愛
そうこうしているうちに1番目のグループが終わって2番目のグループ、貴紀たちの番になった。
パァン
と、おなじみのピストル音とともに始まった2戦目。
他の競技と違ってスタートからお題が置いてあるテーブルまで、割とわちゃわちゃしながら走って行く出場者たち。
貴紀も終始笑顔でテーブルまで走りついた。
お題の入っている封筒を開けたら、中に書いてあることを順番にマイクを持ったやつに報告に行く。
貴紀の引き当てたお題は「独占したい人」だった。
『お~っと!大注目の虎谷くんの引き当てたお題は「独占したい人」です!!これは誰を連れてきてくれるのでしょうか!?』
マイクを握った男子生徒が煽るものだから、グラウンド中が熱気に包まれていく。
「トラく~ん!!」
「こっちむいて~!」
「「独占されたいっ!!!」」
さすが貴紀。
貴紀を呼ぶ女の目が怖いくらい真剣だ。
みんな、貴紀が誰を連れていくのかと興味津々で見ている。
もちろん俺も。