拗らせDKの偏った溺愛
『だそうです。もし美咲ちゃんが嫌な目にあったら、竜也はもちろん僕も竜也の親友として黙ってないからね』
貴紀が俺の宣言にさらに付け加えたものだから、いろいろがありすぎて卒倒した女子が何人かいたっていうのは後から聞いた話。
くっそー、戻りづれぇ…。
なにが悲しくて全校生徒どころか校長以下教師も全員いるところで公開告白しなきゃなんねーんだ。
けど、たぶん美咲も同じくらい居た堪れない気持ちなはずだと思うから、いろいろを振り切って自分の応援席に戻った。
女子からは涙で迎えられ、男子からは
「応援してます!」
とか、
「委員長のことは俺らもお守りしますんで」
とか。
よくわからないけど、まぁ、結果オーライ?
美咲はというと、俺の顔を見るなり、すでにピンク色だった顔を真っ赤にさせて俯いた。
はぁ?ありえねー。俺から目を逸らすとか。
ツカツカと大股で近づくと、ガシッと顎を掴んで無理矢理上を向かせた。
うっ、赤らむ顔は耳どころか首まで染まっていて、頼りなげに俺を見る目は既に潤んでいる。
わかってる、こいつがこんな公衆の面前で俺を誘ったりするやつじゃないことは。
けど。