拗らせDKの偏った溺愛
二人で抱き合っていると、
「あっ!竜也さんが戻ってきた!」
という男子の声が。
グラウンド中の注目を一身に受けながら、こちらに戻ってこられます。
うっ、いざ竜也くんを目にすると、とんでもなく照れます。
どうしましょう・・・恥ずかしくて逃げたいです。
でも、足は正直で。地面に縫い付けられたように動きません。
竜也くんは虎谷くんを小突いたりヘッドロックをしたりと、微笑ましいじゃれあいをしながら応援席に戻ってこられました。
そして一瞬目が合ったのですが、もう無理です。
これ以上、竜也くんをみているのは照れすぎて無理です。
思わず俯いてしまったのですが、地面を見つめる私の視界に白にグレーのライン、シルバーの縁取りがされたおしゃれなスニーカーが飛び込んできました。
ガシッ
突然顎をつかまれたかと思うと、ぐん、と上を向かされました。
驚いて目を見開くと、そこには初めてのお仕置きの時に見た、うっとりするような顔で笑う竜也くんが。
思わずうっとりしてしまった私を見て言われたのは、
「あー、無理。その顔マジで最高」
ついには神々しいまでの笑顔になった竜也くんに謎のセリフを吐かれました。
そうかと思うと、次の瞬間にはドキドキするけど嫌じゃないお仕置きの温もりが私の唇に重ねられたのです。
end