拗らせDKの偏った溺愛
と、冷静に考えて後ろを振り返った瞬間、肩にかけていた鞄がふわっと軽くなって、危うく私の手から離れていきそうに…!
これはもしや噂のひったくりでは!?
と思った瞬間、すでに私の体は勝手に動いていました。
横を通り過ぎようとするバイクの後ろの人が、私の肩掛け鞄の肩紐部分を掴んでいました。
私は反射的に肩紐を自分の後ろに引っ張りながら、その力を利用して足刀蹴りを…。
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足刀蹴り…。
1.支える足の踵は相手側にひねる。
2.蹴り足は敵に対して踵で蹴るようにし、足刀部を目標に直角に当てる。
3.足刀蹴りは、床から上に持ち上げる蹴りではなく、腰からまっすぐ前方に蹴り込まなければいけない。
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今回の足刀蹴りは完璧ですね。
ですが!
あぁ…日頃の鍛錬の賜物と言えば聞こえは良いのかもしれませんが、女子高生にあるまじき行為ではないでしょうか。
当然、バイクの後ろに乗っていた人はバランスを崩して荷台部分から落ちそうに。
いけません!
自分で蹴飛ばしておいてなんですが、いくらフルフェイスとはいえ、動いているバイクから落ちたらそれなりの衝撃があって当たり前です。
しかも後頭部から落ちるとなると、軽い怪我では済まない可能性もあります!
スローモーションのように背中から道路へと落ちていく人を見ながら、
間に合って!!
と心で強く念じて車道へスライディングしました。