拗らせDKの偏った溺愛
<美咲です…>
返事を迫られて、一度は正直に言おうと思ったのですが、やはりいざ言葉にしようとすると羞恥心がものすごいです…。
「あ、あのっ!あのっ!!」
言おうと思えば思うほど顔が熱くなっていきます。
「り、理由はっ、そのっ…」
ダメだと思っても目に勝手に涙が浮かんできます。
…やっぱり無理です〜〜〜!!!
こ、ここは最後の手段です。
高村くんは背が高いので、少し屈めば逆に腕の囲いからは逃げられます。
それで猛ダッシュすれば〜
と考えると同時に体を下へずらそうとした瞬間でした。
ガッ!!
という音とともに私の足の間に高村くんの膝が…。
ば、ばれました!
私が逃げようとしたのがバレてしまいましたっ!!
そっと目線を元に戻すと、予想だにしない距離に高村くんの顔があります。
ひ、ひぃぃ
「へぇ…この期に及んでいい度胸してんじゃん?」
とっても綺麗な笑顔で言われてしまいました。
こ、怖いです〜〜〜!!!