拗らせDKの偏った溺愛
「おい、名前だっての。…言わないなら今度はもっとすごいことすんぞ?」
そう言いながら、また彼の顔が近づいてきたので、大慌てで名前を言いました。
「み、美咲です!!藤原美咲です!」
「あー、そういやあの小さい女がお前のこと”美咲”って言ってたっけな。じゃーな、美咲。始業式が終わったらちゃんと教室に戻って来いよ?わかってると思うけど、逃げたり俺が言うことに”はい”って言わなかったら…」
「だ、大丈夫です!決して高村くんの言うことに逆らったりしませんからっ!!」
なにがどうなるのかわかりませんが、彼に逆らったら恐ろしいことしか起こらないような気がしますっ!!!
「ふっ、オッケー。じゃあ、もし俺に逆らったら、その場でお仕置きな?」
「お、お仕置き!?」
ご機嫌でニコニコ笑っているのに、その口から出てくる言葉は聞き慣れない…どちらかというと怖いイメージの言葉です。
「そう。こういうお仕置き」
そう言うと高村くんの顔が再び私の顔に近づいてきて…。
ペロリ
「ひゃぁ!!」
な、な、なっ!!!
何が起こったのですか!?!?!?
「逆らうたびにお仕置きも厳しくなってくから。覚えとけ?
今のは、俺のことを”高村くん”って呼んだことへのお仕置き」
ニヤッと笑ってそう言うと、クルリと踵を返して講堂の方へと戻って行ってしまいました。