拗らせDKの偏った溺愛
まぁいいか。
これはこれでからかい甲斐があるってもんだ。
「おい、名前だっての。…言わないなら今度はもっとすごいことすんぞ?」
そう言いながら、また顔を近づけると、こんどは大慌てで名前を言う。
美咲、ね。
まぁ、せいぜい俺のことを楽しませてくれよ?
そうそう、最後に念押ししとくか。
「ふっ、オッケー。じゃあ、もし俺に逆らったら、その場でお仕置きな?」
俺の言葉に予想以上に反応する美咲。
「お、お仕置き!?」
だから余計にからかいたくなる。
「そう。こういうお仕置き」
そう言ってから
ペロリ
美咲の柔らかい唇を今度は舐めてやった。
「ひゃぁ!!」
驚いて小さな悲鳴をあげたのを見て満足した俺は、目を白黒させてる美咲に
「逆らうたびにお仕置きも厳しくなってくから。覚えとけ?
今のは、俺のことを”高村くん”って呼んだことへのお仕置き」
適当な理由を言いながらもニヤつくのを止められなかった。
これ以上一緒にいると本格的に笑ってしまいそうだし、とりあえず今はこれくらいにしとくか。
俺はそのまま美咲を裏庭に残して講堂に行くことにした。