拗らせDKの偏った溺愛
あー、うるせー。
周りから上がる声を無視しようかとも思ったけど、美咲の顔を見て一瞬息が止まりそうになった。
裏庭で見たときより数段赤い顔、潤んだ瞳。
「「「「「おぉっ!!」」」」」
っていう男からの小さな歓声はこの顔に対してか…。
だから、そういう顔すんなっての。
…はぁ〜。
あんまり最初から飛ばすと、楽しみが早く終わっちまうしな。
今はこれくらいにしといてやるか。
「さっきのことも気にすんな」
作り笑顔を浮かべて、わざと周りに聞こえる声でそう言うと、
「へっ?」
と口をポカンと開けたまま固まる美咲。
「「「「「いやぁ〜〜〜、どういうこと!?」」」」」
今日一番の騒がしさに包まれる中で、
「なーんてな、誰が許してやるかよ。思いっきりいじめてやるから、せいぜい耐えて俺を楽しませろ」
美咲の耳元でそう囁いてやった。