拗らせDKの偏った溺愛



新しいクラス担任は若い男の先生です。

ただ、覇気がないというか、オドオドしているというか…。

生徒の顔色を伺いながらボソボソと話しています。

大丈夫でしょうか…。


ともあれ、新しいクラスですし、今日は自己紹介をした後に係などを決めて終わりだそうです。

午前で終わりますし、綾乃ちゃんさえ大丈夫なら、帰りにお昼ご飯を食べながら相談にのってもらうことにします!


この時の私は、学校が終わった後の予定にばかり気を取られていて、自己紹介で大変な目にあうとは夢にも思っていませんでした。




先生に促されて名前となにか一言を言う、という自己紹介が始まりました。


最初に1番前の席の女の子が立ち上がりました。

明るく染めた髪がよく似合う元気そうな人です。


「前田真知子です!ちなみにリュウくん派で〜す、よろしくね♪」


最後にパチンと可愛いらしいウインクまでついていました。


その後も名前とともに高村くん派か虎谷くん派を宣言する女子や竜虎お二人のファンだという男子もいたりする、このクラスならではの自己紹介が順調に進んでいました。


当のご本人方は素知らぬ顔で、二人仲良く窓際の特等席に座ってます。

仲良しさんなんですね。




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