拗らせDKの偏った溺愛



そのうちに私にも順番が回ってきました。


「藤原美咲です。趣味はアクセサリーや小物作りです。よろしくお願いします」


自己紹介を終え、ホッとして腰を下ろそうとした時でした。


「ねぇねぇ、藤原さんは竜くん派?」


という質問が投げかけられました。


「えっ!?どっちかと聞かれましても…。お二人のことは今朝まで知らなかったですし…」


正直に答えたら教室の中がザワッとしました。

な、なにかマズイことを言ってしまったのでしょうか!?


「えー、あの二人のことを知らなかったとかありえなーい」


「あれじゃない、知らないって言って二人の気を引こうとしてるんじゃない?」


「うわ〜、見かけによらず腹黒い」


ヒソヒソと。

でもしっかり聞こえる声で陰口を言われていますね…。

若干、引き気味の状態で何か言うべきか、それとも素知らぬ顔をして座るべきか悩んでいると、


カタン!


と、少し離れた席で立ち上がった人がいました。

綾乃ちゃんです…!


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