拗らせDKの偏った溺愛



だから、と言うと言い訳みたいに聞こえるけど…。


ガタン!!!


気づくと俺は、ワザと大きな音を立てて立ち上がっていた。


再びシーンと静まり返る教室。

今度は誰も、何も言おうとしない。


「自己紹介、さっさと終わらせろよ…。時間かけてっとダルくなるだろーが」


静まり返る教室にそれだけ言うと、


ドカッ


と席に座り直した。


途端にざわめきが戻る教室。


「だ、だよね!!」


「おいっ!次誰だよ!?さっさと始めろよ!」


騒がしさを取り戻した奴らを見ながら


「あれぇ?ついさっき、誰が助けるかよ、って言ってなかったっけ?」


と、これまた小声で、しかも笑いを含んだ言い方をしてきた貴紀を、俺は思いっきり睨んだ。





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